『龍馬伝』 本質を問うてみよ

「龍馬伝」は史実と違うという批判を耳にすることがある。

せんだっての電車でもそうだった。
となりの席で、団塊の世代風なサラリーマン同士が
ウンチクをブチかましていたよ。

史実に忠実なドラマなんて
おもしれーかい？

って、イッパツケリ横やりを入れたかったが、そこはガマンガマン。
刺されたら怖いですもんね、こっちは無防備だ（笑）

ふんっ！
ち密に計算された歴史を再現したドラマに龍馬が出てきても、

そんなドラマなんてクソ面白くねーや。


想像の世界に、思うがままに自分といっしょに遊んでくれる主人公がいるからおもしれーんだ。
われわれ凡人は、想像力を高めながら、彼という人物を通じて、
多くの国民が「日本」を考えるキッカケになればそれでいいんじゃないの？

龍馬や勝は、藩や幕府なんて概念を超えて、「日本人」を意識した人物としては、
織田信長以来の人物だろうってことは間違いないんだから。
当時「日本人」を意識するってことは、今「アジア人」って発想することと同じことだよな。

できるかい？できてるかい？

それを、えっらそうに、やれ福山じゃ役不足だとか、香川は汚過ぎるとか、
本か何かの受け売りで、龍馬の時代を論評なんてできないと思うぞ。
しまいにゃあ、テメーの会社の“歴女”批判まで話を広げやがる。
下半身だけは海を越えて遊びには行くが、思想は閉じたまんまだ。

ほんと情けねーや。

さあ、何の役にも立たねー「ノウハウ本」を読み漁っているなら、
くだらねーテレビを見る暇があるんなら、
「龍馬伝」を直視して何を伝えようとしているのか、本質を問いなおそうぜよ！！



先輩社長の会社に優秀な留学生がいる。彼の意識はまさに「アジア人」の発想だ。
アジアの視点から母国の大韓民国、故郷の高陽、そして日本や世界を見ている。
目標意識もしっかり持っていて、母国の教育学部を卒業し、留学までして経済を学んでいる。
昼はアルバイトしながら大学の夜間で学ぶ苦学生だ。
将来の希望を聞いてみたら、30歳になったら母国で小学校の先生になることだという。
広く深く学んだ知識や、貴重な経験を若い世代に伝えていくのが使命だと、
ぶれることなく熱く語った。
日本語を短期間でマスターしたにしては、まったく会話に支障はない。
カタコトの英語を話す僕が恥かしいくらいに、流暢な英語も交えながら、表情豊かな好青年だ。
彼から学べる子どもたちは幸せだろうな。
小さいときから、世界を意識した授業を受けることができるんだから。
彼の元から世界に通用する優秀な人材が育っていくことは想像に難くない。

倍近く離れている年を忘れるくらい、彼と話すときは真剣に話す。
自分はまだまだちっちぇー人間だからね。彼から学ぶことのほうが多い。
そして、僕の息子と懇意にしてくれているのが何よりも嬉しい。
息子は彼の「世界で学ぶ姿勢」を感じ取ってくれているだろうか・・・。

経済論理も、マーケティングも、薄っぺらい博愛や慈悲も通用しない。
これが今の世界情勢だ。
先輩社長は言う。
「彼のようなアジア人を見ていると、このままじゃ日本は負けるよ」と。
納得です。

「平成の龍馬だ」と豪語する似非政治家がいますが、
簡単に龍馬を名乗ってほしくないんだよな。
いや、理念や覚悟もないのに名乗っちゃいけねーな。
鳥かごの中の、エサが豊富にあるだけで、
さえずりさえすればエサがもらえるこんなイビツな世界を
「普通の世界」と考えてる。
こんな日本人が発想すると、武市みたいに「天誅！」と叫んで、
攘夷に走るのがオチだな。



それにしても、幕臣・勝鱗太郎（海舟）役の金八っつあん。
“腐ったみかん“を語りだすんじゃないかぐらいの勢いがあって、
武田鉄矢さんてほんと濃いねぇ。
「抑止力」を熱く語るシーンは、勝を演じているけど、
龍馬気分だな、きっと（笑）

次回から「ジョン万次郎」も登場する。
ますます面白くなるねえ。

日曜日が待ち遠しいよ。